0123号室―Room No.0123

好きなものを好きなだけつめこんでおける部屋

 
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Now playing最終回と今後についての話

32話透過

Now playing最終話更新されました。
読切から数えると約2年、連載開始から1年半の間、応援いただき本当にありがとうございました。
現在1,2、最終3話分が公開されてますが、5/19(木)以降は1話のみの公開・カテゴリが連載終了作品に移動となりますので、
ウェブで読み返したい方はそれまでにご覧ください。

追記でこの作品の舞台裏と、今後について少し書いておきます。



今回の連載について、少し気持ちの面で整理したい部分を記しておきます。

まず連載の終了については、初連載で不慣れなことも多く、実力も足りなかった結果だったと思っています。
突き抜けた天才ならどんな状況でも成果を残せるのでしょうが、私はそういった才能はないので
反省点を次作に生かしつつまたコツコツ精進していこうという気持ちで今はいます。

同時に、今回の連載は少し特殊な状況が多く
「なぜ(この状況に遭ったのが)このタイミングだったのか」
という気持ちが残ることも事実です。

原稿にインクがかかろうがPCがクラッシュしようが、舞台裏のトラブルを理由に
「上手くできませんでした」なんて言えないのは演劇も漫画も同じです。
見てくださる方に出したものが全てであり、それに責任を負うのが演劇なら演出、
漫画なら漫画家なのだということは新人時代から教えられてきたことです。


ただ、商業誌の漫画家にしては今回はあまりに度(作家個人のキャパシティ)を超えた状況であったように思います。
詳細は割愛しますが、作品の結果や評価以外の部分で「心が折れる」出来事が異様にありました。


作家というのは同業者の舞台裏を見ることができません。
特に初連載だと、トラブルや特異な状況に遭遇しても
こういうものだ、みんなこういうことを経験しつつ漫画を描いているのだと
自分に言い聞かせてしまいます。
私の場合は初期の頃から色んな方に相談に乗って頂き、
時にはお叱りも頂いて試行錯誤する中で同じ業界の方から
「それはさすがにおかしいのでは…?」
と言われ驚かれることも多くあったので、”よくある”状況ではないようだと認識を改めるようになりました。

ただ曖昧な表現で申し訳ないですが、
どんな出来事も一概に「これが原因」「こいつが悪い」というものではなく様々なことが絡み合った結果です。
私自身も新人ゆえの無知や、いいものを作ろうと力むあまりの空回りで周囲に迷惑をかけてしまったことは
数多くありました。
特に今回はいくつかの事が重なったので、究極的な原因を挙げるなら「運が悪かった」ということだと思います。
結局「本当の天才は何があっても売れるのだし、自分が天才じゃないからいけないのだ。
できることをやるしかないのだ」と言い聞かせるしかなく、心療内科に通うくらいしか対処法もありませんでした。

なので4巻はそういう過程で仕事について考えたことや思ったことが沢山描かれていて、
ほかの巻と比べるとやたら生々しい巻になったと思います。
(※西園寺の過去編については当初からの予定だったのでそういった影響は込められてません)


正直、この作品はとても大切な作品ですが
演劇について全編通して全力で描けたと思ってはいません。
体を壊すほど全力でやっていたのは事実ですが、
取材や原稿のほかに注力しなければならないことが多すぎました。
途中で終わっても「出来る限りやった」と思えたなら心の整理がつきますが、
そうした爽やかな思いは抱くには程遠いものがあります。
もっといいやり方があったかもと今でも思いますし、「よくあること」と言う言葉では片づけたくありません。

私は期間で言うと10年演劇をやっていましたが、
派閥対立や村八分、方向性の違いによる分裂、病気の療養や漫画の執筆など様々な理由で
活動の中断や公演の断念をしたことも多く、舞台に立てた回数は片手の指でも余る程度でした。
他劇団の友人に「たかが部活になんでそんな死ぬ気でやってるの?」と言われて、
死ぬ気で挑まなければ公演をやれない自分の隣で、トラブルもなくただの部活として
演劇を楽しめる人が普通に存在することに残酷さも感じました。
それでも演劇が好きだったし、もっとちゃんと、やりたかったんです。

連載が終わり次作の準備をする段階になっても、
「なぜ”不運”(トラブル)に見舞われたのが、一番思い入れのある”演劇”で連載を始めたタイミングだったのか」
という一点だけは、どんなに作家の責任を意識しようと消えない瑕疵でした。


だから、絶対にここで終わりにはしません。


連載も終了したので簡単に続きを描けるとは思っていませんが、
次はもっとちゃんと「売る」ことのできる漫画を描いて、
絶版された作品も再出版できる作家になって、
改めてちゃんとスポットを当ててやりたいと強く思います。
Now playingは自分だから描ける演劇漫画だという気持ちはずっとありました。
取材や勉強を重ねる中でつまらないと思っていた高校演劇が本当に面白く感じられてきて、
この面白さを自分の手でもっと伝えたい!とも強く思いました。
演劇を描く色んな作品がありますが、もしいつか漫画をきっかけに(高校)演劇のブームが来るとしたら、
絶対自分の作品がそこになければ嫌だ、と今でも思います。
演劇の面白さを伝えられる原稿を、いつかまた、沢山描きたいとも思います。


だから演劇の話は”一旦”終わりです。
また何らかの形でこの世界に絶対戻ってきますので、その時は
「ああそんな作品あったなあ」とでも思い出してもらえたら嬉しいです。



この記事で誰か/何かに責任を押し付けるつもりはないですし、
「だから作品の見苦しい部分に目をつぶってください」
と言う気もありません。
販促をたくさん展開して頂いたり漫画賞にノミネートされたり、
新人には勿体ないほど色んな方の支えに恵まれた作品でした。
特に深夜休日まで時間を割いて相談に乗ってくださった担当さん、
わがままや質問の数々に毎回応えてくださった営業さんには感謝してもしきれません。

(また”不運”にも色々あり、中には
「引っ越した家が心霊物件だった」
という”漫画の実力云々って問題じゃねーよ案件”もありましたが、
今後使えるいいネタを得たという点で得をしたかなとは思ってます。)

要するに私自身の未熟さ・稚拙さと向き合って次に進むためには
一度気持ちを整理しておかなければいけないという気持ちがあったのです。
今何がつらくてこの後どうしたいのか、形にしてぶれないようにしておけばちゃんと
進んでいけるのではないかという気持ちでこの文章を書きました。
甘えや生意気さ(あと単純に長さ)を感じる方もいらっしゃるかもしれませんがどうぞご容赦ください。

書くだけ書いたら少し気持ちがハッキリしてきたので、あとはまっすぐ歩みを止めずに進んでいきたいと思います。
このままもっと沢山の方に楽しんで頂ける、世の中に訴えかけられる作品を作れるよう歩んでまいりますので、
よろしければ今後ともお付き合いください。

一二三
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Comments

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読了したばかりです。とても好きな作品でした。
もっと読みたかったです。
でもここまでの内容には読者としてはすっかり満足しています。
胸を張って、なんなら威張っていいはずなのにと思っています。
まずはおだいじにしてください。
ありがとうございました。
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プロフィール

一二三

Author:一二三
漫画家
四十七大戦」(コミックアーススター)
9/7~連載開始

演劇漫画「Nowplaying
(ガンガンONLINE/全四巻)

演劇情報誌「えんぶ」
観劇コラム漫画1p連載

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